分散分析(ANOVA)を行う前の前提条件:正規性と分散の等質性

ANOVAを利用するには、対象となるデータの分布が正規分布に従っている必要があります。それを検証する方法が正規性の検定であり、Kolmogorov-Smirnov testや Shapiro-Wilk testといったものが存在します。データが正規分布に従っていない場合、ノンパラメトリックな手法を用いて検定する必要があります。

他にも、分散の等質性をチェックしておく必要があります。その確認方法には、Levene testが良く利用されています。分散の等質性が満たされない場合、やはりノンパラメトリックな手法を用いて検定する必要があります。

どちらの検定も、SPSSで利用可能です。ここでは他のページと同様、論文にそれらの検定結果を書く際にどのようにすればよいかについての文例を示そうと思います。ちなみに正規性と分散の等質性の両方が示された場合にのみANOVAを使うことが望ましいとされていますが、ANOVAは分散の等質性に頑健であるため問題が無い、という意見もあります・・・。

正規性と分散の等質性検定の文例

データが正規分布に従っていて、かつ分散の等質性が示された場合

アンケート結果に対してKolmogorov-Smirnov の正規性の検定を行った結果,取得したデータは正規分布に従うことが示された(p=0.234).また,Levene検定を通じて分散の等質性が示された(p=0.345).そこで本研究では,アンケート結果に対してパラメトリックな手法である○○を…

データが正規分布に従っているが、分散の等質性は示されなかった場合

アンケート結果に対してKolmogorov-Smirnov の正規性の検定を行った結果,取得したデータは正規分布に従うことが示された(p=0.234).一方,Levene検定の結果,分散の等質性は示されなかった(p=0.021).そこで本研究では,アンケート結果に対してノンパラメトリックな手法である○○を…

データが正規分布に従っていないが、分散の等質性が示された場合

アンケート結果に対してKolmogorov-Smirnov の正規性の検定を行った結果,取得したデータは正規分布に従わないことが示された(p=0.012).なお,Levene検定を通じて分散の等質性は示された(p=0.345).そこで本研究では,アンケート結果に対してパラメトリックな手法である○○を…

データが正規分布に従っておらず、分散の等質性も示されなかった場合

アンケート結果に対してKolmogorov-Smirnov の正規性の検定を行った結果,取得したデータは正規分布に従わないことが示された(p=0.012).またLevene検定の結果、分散の等質性も示されなかった(p=0.032).そこで本研究では,アンケート結果に対してパラメトリックな手法である○○を…