Rでt検定(被験者内)を行う方法と、結果の見方と書き方

2022年5月30日

サンプルデータ

Rでt検定(被験者内)を行うための手順を、RStudioを使って示していきます。一人の被験者に対して二回実験を行い、各実験後に何らかの評価(アンケートやテストなど)を取得して比較する場合、対応のあるt検定を利用できます。例えば、以下のようなデータを取得した場合を想定します:

First	Second
49	21
45	13
42	19
46	23
44	18
57	12
54	10
54	13
54	17
53	20
52	27
39	17
41	21
66	18
50	21
49	18
45	20
45	24
54	18
55	14

分析方法の選び方

Rstudioから分析には、以下のコマンドを利用します。今回はpsychとeffsizeというライブラリを使っているので、必要であれば先にライブラリのインストールを行います。

install.packages("psych") #psychライブラリのインストール
install.packages("effsize") #effsizeライブラリのインストール
Data <- read.csv("Data.csv") # データのファイルパスは適宜変更
attach(Data) # Dataに含まれる項目名だけでアクセスするための設定
t.test(First, Second, paired=TRUE) # 対応ありt検定
effsize::cohen.d(First,Second) #効果サイズ

t.test(First, Second, paired=TRUE)を実行すると、以下のような結果が表示されます。t値、自由度、p値などが表示されています。

Paired t-test

data: First and Second
t = 16.098, df = 19, p-value = 1.579e-12
alternative hypothesis: true difference in means is not equal to 0
95 percent confidence interval:
27.40443 35.59557
sample estimates:
mean of the differences
31.5

effsize::cohen.d(First,Second)を実行すると、以下のような結果が表示されます。d estimateが効果サイズになります。

Cohen's d
d estimate: 5.737514 (large)
95 percent confidence interval:
lower upper
4.289699 7.185329

これらの結果を記載する例を、以下に示します。

アンケート結果に対して対応のあるt検定を行った結果,条件間に有意な差が得られた(t(19)=16.098, p<0.001, d=5.738). すなわち提案手法を用いることで,アンケート結果が既存手法よりも有意に増加することが示された.