カイ二乗検定の結果の書き方
(ピアソンの)カイ二乗検定は、ノンパラメトリック検定の中でも広く使われる検定方法です.なおカイ二乗検定は対応が無い場合、すなわち被験者間計画を前提としています。対応のある場合(被験者内計画)の場合は、McNemar検定(マクネマー検定)やコクランのQ検定を用いる必要があるので、気を付けてください。
カイ二乗検定を使う条件の例
カイ二乗検定はノンパラメトリックな手法の中でもよく使われているものだと思います.利用する条件としては、例えば:
- 三つ以上の候補の中から、より良いと思う候補を選んでもらう(二つだけなら二項検定でOK)
- ある二郡に対して問題を出して、その群間で正解か不正解で結果を分類して比較する
- 三つ以上のアルゴリズムで複数回精度を競い合い、どれが一番精度が高かったかを計測
といった事例が考えられます。要は、イチゼロで結果が分かれるような評価手法でかつ三つ以上の組み合わせ(1×3でも、2×2でもOK)となる場合に利用されることが多いですね。便利な手法ですが、三つ目の例にあるような精度での競い合いを行う場合には、その平均値に対する分散分析を行うといった方法も取れるので、評価対象に合わせて適切な検定手法を選択する必要があります。
カイ二乗検定についての文例
以下に、カイ二乗検定についての文例をいくつか示していきます。各被験者にA/Bどちらの条件を好むかを選んでもらい、その差を性別によって分類した表を例示した後、カイ二乗検定を行った状況を想定します。いつもの通り、自由度やカイ二乗地については仮の値なので、適宜数字を入れ替えてください。
有意差がある場合
被験者の性別と,被験者が好んだ条件を表Xに示す.カイ二乗検定を行った結果,有意な差が得られた(χ2(1)=X.XXX, p=0.021, φ=0.0XX). 残差分析の結果,女性群は男性群に比べてA条件を有意に好むことが,および男性群は女性群に比べてB条件を有意に好むことが示された.
有意差がない場合
被験者の性別と,被験者が好んだ条件を表Xに示す.カイ二乗検定を行った結果,有意な差は得られなかった(χ2(1)=X.XXX, p=0.441, φ=0.0XX).
(注):有意差が無い場合、残差分析も基本的に必要ありません。
なお、2×2の条件以外の場合は効果サイズの書き方が少しだけ変わります。Cramer(クラメール)のVを使う必要があるため、(χ2(2)=X.XXX, p=0.021, V=0.0XX)などとなります。また、扱うサンプルサイズが大きすぎる場合(例えば被験者数が200名以上など)、カイ二乗検定ではなくFisherの正確確率検定を使うべきとのことですので、そちらについてもいずれ準備しようと思います。
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